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宅配型トランクルームを比較してわかった選び方の分かれ目

実家の押し入れを開けて、最初に手が止まるのは高級な物ではありません。父が単身赴任時代に使っていた電気ケトル、母が三十年前に仕立てた着物、名前も思い出せない親戚の結婚式の引き出物。売れるほどの価値はなく、捨てる決断もつかない物が、段ボール換算で十箱ぶんくらい出てくる。

実家の片付けでいちばん時間を食うのは、この「どちらでもない物」です。回収業者の見積もりは取れる。売れる物はフリマアプリに出せる。詰まるのは真ん中だけ。しかも真ん中の量がいちばん多い。この記事では宅配型トランクルーム比較と宅配型収納おすすめの視点で、料金・補償を公開情報から整理します。

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この記事では、その真ん中の物をどう扱うかを軸に、宅配型トランクルームという選択肢を整理します。料金の安さだけでなく、取り出し送料や早期取り出し料金といった、契約前には見えにくい費用まで開示します。なお私は本記事で扱うサービスをまだ契約していません。ですので体験談としては書かず、各社の公開情報を並べた比較として書きます。契約したら体験レビューとして追記します。

目次

実家の片付けで「捨てられない物」が出たときの選択肢

片付けが止まる原因は、物の量ではなく判断の数です。押し入れひとつに三十点入っていれば、三十回の判断が要る。しかも判断のたびに親の顔が浮かぶ。

一日でやりきろうとすると、この判断の連続に耐えられなくなります。朝から始めて昼前には「もう全部捨てるか、全部残すか」という極端な気分になります。この状態で下した決断は、あとで後悔につながりやすい。嫁入り道具の桐箱を勢いで回収トラックに乗せかける、といった取り返しのつかない判断が起きるのはこの時間帯です。

だから判断を三種類に分けて、それぞれ別のタイミングで処理します。

捨てる・預ける・売るの三択で考える

物を前にして考えることは、突き詰めると三つです。

処分するもの。これは劣化していて再利用できない物、同じ機能の物が家にある物、そして誰も引き取り先を思い浮かべられない物。判断に迷いが出ないなら、その場で不用品回収へ回します。

売るもの。ブランド品、状態のよい家電、着物、切手やコイン、古い工具類。買取価格が数千円でも、運び出しを業者がやってくれるなら実質的に手間が減ります。

預けるもの。処分の決断がつかず、かつ今の住まいに置き場所がない物。実家じまいで最も厄介な層がここです。

三択に分けたとき、預けるを一時的な逃げだと考えないほうがいい。判断を保留するという判断は、それ自体が正当な選択です。相続の話し合いが済んでいない、兄弟の意向を聞いていない、親がまだ健在で本人の希望を確認できていない。そういう状況で無理に決めれば、家族の間に禍根が残ります。親族間の話し合いの進め方は実家じまいの親族会議でもめないために、ある家族がやったことでも触れました。

宅配型トランクルームが「判断を先延ばしにする」手段になる理由

宅配型トランクルームは、専用の箱を自宅に送ってもらい、荷物を詰めて集荷してもらう倉庫サービスです。従来のトランクルームと違って、自分で車を出して倉庫まで運ぶ必要がありません。

実家じまいの現場と相性がいい理由は三つあります。

第一に、実家から直接発送できる場合があること。片付けをしている場所から集荷してもらえれば、自宅への一時的な持ち帰りが不要になります。マンション住まいの子世代にとって、これは大きい。実家の荷物を自宅のリビングや玄関に積み上げた状態で数か月過ごすのは、家族の空気を確実に悪くします。

第二に、箱単位で月額数百円という価格帯があること。物理的なトランクルームを借りれば月額数千円から一万円を超えます。箱三つを一年預けても、ワンルーム分のトランクルーム一か月ぶんに届かないケースがあります。

第三に、箱の中身を写真で一覧できるサービスがあること。何を預けたか忘れるのが預けっぱなしの最大の原因ですから、写真台帳があると「そろそろこれは処分しよう」という判断に戻ってこられます。

ただし宅配型は万能ではありません。大型家具は預けられない、あるいは別料金です。すぐに取り出したい物には向きません。この弱点を理解しないまま契約すると、次の章で書く落とし穴を踏みます。

不用品回収と宅配型収納、どちらに出すべきかの分岐点

現場では回収業者と収納サービスを併用します。全部回収に出すと後悔が残り、全部預けると費用が積み上がる。分ける基準を先に決めておくのが、結果的にいちばん安く済みます。

すぐ処分してよい物の見分け方

処分側に回して問題が起きにくいのは、次のような物です。

家電はメーカー保証も部品供給も終わっている年式の物。修理に必要な補修用性能部品の保有期間は、一般財団法人家電製品協会によれば各メーカーが自主規定で定めていて、年数は製品とメーカーで異なります。起算点は「その製品の製造を終了した時」なので、購入からの年数ではありません。年式が古い家電は、預ける前にメーカーへ部品保有期間を確認したほうが早く決着します。冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコンは家電リサイクル法の対象で、リサイクル料金と収集運搬料金がかかります。料金の目安は一般財団法人家電製品協会のリサイクル券センターで公開されています(https://www.rkc.aeha.or.jp/)。

寝具、カーペット、劣化した収納ケース。衛生面で再利用が難しく、保管しても価値が上がりません。

書類のうち、保存義務が切れているもの。ただし権利証・契約書・保険証券・年金関係の書類は、判断を自分でせずに一括で保留箱へ入れてください。相続手続きで必要になる書類が混ざっている可能性があります。何が必要かの判断は、司法書士や税理士に確認するのが確実です。

雑誌・カタログ・使用済みの日用品。ここは迷わず処分できます。

回収業者に依頼するときは、許可の確認を必ずしてください。家庭から出る不用品を有償で回収して運ぶには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。買取をともなう場合は古物商許可(公安委員会)。産業廃棄物収集運搬業の許可だけでは家庭ごみを扱えません。許可番号を聞いて、自治体のサイトで許可業者一覧を照合すれば確認できます。「無料回収」を掲げるトラックが後から高額請求する事例は、環境省や各自治体が注意喚起を出しています。見積書を書面でもらえない業者は避けるのが安全です。

迷いが残る物(着物・思い出品・季節家電)の預け先

預ける側に回すのは、この三種類が中心になります。

着物と和装小物。処分すれば戻りません。買取価格は状態と種類で大きく変わり、素人には判断がつきません。査定に出すにも時間が必要ですから、いったん預けて落ち着いてから動くのが現実的です。宅配型収納には着物専用の保管プランがあるサービスもあり、桐箱やハンガー保管を選べます。

写真・アルバム・手紙・賞状。量がかさばるうえに、捨てた後の後悔がいちばん大きい層です。スキャンして電子化するにも時間がかかります。デジタル化を「いつかやる」と決めたなら、その「いつか」まで箱で預けておくのは筋が通っています。

季節家電と季節用品。扇風機、ストーブ、雛人形、五月人形、クリスマスツリー。年に一度しか使わない物は、自宅に置くと収納を占領します。ただし取り出しに一週間前後かかるサービスもあるので、使う季節を逆算して申し込む必要があります。

一方で、預けるのに向かない物もあります。生鮮品や食品、危険物、貴金属・現金・有価証券、そして高額な美術品。多くのサービスが規約で預入禁止品を定めており、補償の対象外にもなります。契約前に禁止品リストは必ず読んでください。

宅配型トランクルーム比較|宅配型収納おすすめ2社の料金と補償

ここからは代表的な二社を、公開情報ベースで比較します。繰り返しますが、私は現時点でどちらも契約していません。料金や仕様は改定されるため、申し込み前に各社の公式サイトで最新の条件を確認してください。

月額料金・初期費用・取り出し送料

比較項目サマリーポケットminikura
運営株式会社サマリーが運営寺田倉庫が運営
月額(1箱・税込)エコノミー330円〜/スタンダード394円〜/ブックス495円/大型アイテム795〜895円HAKO 320〜520円/MONO 380〜640円/クローゼット660円/大型プラン880円〜
初期費用箱代・取り寄せ送料は無料の案内あり箱代・送料は無料の案内あり
預入時の送料集荷分は無料の案内あり無料の案内あり
取り出し送料352〜1,320円/梱包(全国一律)HAKO 1,100〜1,320円/MONO 880円〜/大型 2,900〜3,400円。1年以上預けた箱は無料
中身の写真撮影プランにより1点ずつ撮影MONOプランで1点ずつ撮影
1点単位の取り出し対応プランありMONOプランで対応
最低保管期間期間内の取り出しに追加料金の設定あり同様の設定あり
大型家具タンス・仏壇は不可。大型アイテムプランでスーツケース等に対応タンス・仏壇は不可。大型プラン(880円〜)で対応する品目あり

この表で本当に見るべきなのは、月額の数百円という数字ではありません。取り出し送料と最低保管期間の二行です。

月額が安いサービスは、取り出し時に費用を回収する設計になっていることがあります。箱ひとつの取り出しで千円前後かかるなら、月額三百円の箱を三か月で取り出せば、実質的な単価は月額の二倍を超えます。逆に一年以上置くつもりなら、取り出し送料の重みは薄まります。

つまり預ける期間の見立てが料金を決めます。三か月で結論を出すつもりなら取り出し送料の安いプラン、一年以上寝かせるなら月額の安いプラン。ここを逆にすると損をします。

最低保管期間も同じです。多くのサービスが、契約から一定期間内の取り出しに追加料金を設定しています。実家の片付けは予定が動きます。売却が急に決まって荷物を引き取る必要が出るかもしれない。その可能性が高いなら、早期取り出しの条件を先に確認しておくべきです。

補償額(高価な物を預けるときの必須チェック)

料金表の下のほうに小さく書かれているのが補償の条件です。ここは契約前に必ず読んでください。

宅配型収納の補償は「箱あたり」または「1点あたり」の上限額で決まっています。サマリーポケットの標準の補償は1箱あたり1万円までで、オプションの「あんしんサポート」に加入すると上限が最大50万円まで上がります(同社公式/当サイト調べ・2026年8月28日時点)。箱の中に十点入れて標準補償のままなら、火災や水濡れで全損したときの回収額は1万円が上限です。着物一枚の価値でも、これを超えることは珍しくありません。

そして先ほど書いたとおり、貴金属・美術品・骨董品は預入禁止品や補償対象外に含まれるのが通例です。「価値が高いから預けて守る」という考え方は、宅配型収納には当てはまりません。高額な物は銀行の貸金庫や、専門の美術品保管サービスを検討してください。

補償で確認する点は四つです。補償の上限額が箱単位か1点単位か。補償の対象になる事故の範囲(火災・水濡れ・盗難・輸送中の破損それぞれ)。預入禁止品と補償対象外品のリスト。そして申告価額の制度があるかどうか。

着物を預けるかどうかを考えるとき、この補償の行が判断の分かれ目になります。金額の問題ではなく、失った場合に代わりがないからです。着物のように代替のきかない物は、先に専門店で査定を受けて価値と状態をはっきりさせてから預け先を決める。判断を保留する物にも、優先順位があります。

実家じまいで起きがちな落とし穴

比較表の数字だけ見て契約すると、実家じまい特有の事情で予定が崩れます。よくある二つを書いておきます。

荷物量を見誤って追加料金が発生するケース

押し入れの中身を見て「箱三つで足りる」と考えると、まず外れます。理由は単純で、押し入れの中の物は圧縮された状態で積まれているからです。取り出して平置きすると体積が二倍以上になり、見積もりの倍以上の箱数になることも珍しくありません。

箱が足りないと追加で取り寄せることになり、集荷の日程も組み直しになります。片付けは家族の休みを合わせて動くものですから、日程の再調整は費用よりつらい。

もうひとつの誤算が重量です。宅配型収納の箱には重量制限があり、超えると集荷を断られます。本、食器、アルバムは体積の割に重い。箱の下半分に重い物、上半分に軽い物という詰め方をすると、見た目は余裕があるのに制限を超えます。書籍は箱の三分の一までに抑えて、残りを衣類で埋めるくらいの配分が無難です。

対策としては、片付けの前日に押し入れの中身を全部床に出して、平置きの状態で箱数を数えてください。そのうえで二割ほど多めに箱を用意する。ただし、取り寄せた箱を発送しないまま放置すると費用が発生する場合があります。未使用箱の扱いは事業者ごとに違うので、申し込む前に各社の案内で確認して、期限内に発送できる箱数にとどめてください。

取り出しに時間がかかり親の要望に間に合わないケース

宅配型収納の取り出しは、申し込んでから手元に届くまで日数がかかります。倉庫での出庫作業と配送が入るためです。所要日数は事業者・地域・時期で変わるので、契約前に各社の公式ヘルプで確認してください。少なくとも、当日や翌朝に必要な物には使えません。

これが実家じまいで問題になるのは、親の要望が突然出てくるからです。「あの写真アルバムを見たい」「法事で使う数珠はどこにいった」。こうした要望に「数日かかる」と答えると、親は預けたことそのものを後悔し始めます。

実家の物を動かすときの原則は一つで、親がすぐ手に取りたがる物は預けないことです。仏具、写真アルバムのうち特に見返す数冊、日記、季節の行事で使う物。これは実家か自宅の手の届く場所に置きます。預けるのは、少なくとも半年は誰も探さないと確信できる物だけ。

もうひとつ効くのが、預けた物の一覧を親と共有することです。サマリーポケットのスタンダードプランと minikura の MONO プランは、預けた品を1点ずつ撮影してアプリ上の一覧にします(各社公式/当サイト調べ・2026年8月28日時点)。この一覧を親に見せられれば、「これは倉庫にあるからね」と、捨てていないことをその場で示せます。捨てられていないと分かるだけで、親の抵抗はやわらぎます。

選び方の3つの軸

比較サイトを何本読んでも決まらないのは、比較の軸が自分の状況とつながっていないからです。実家じまいの文脈では、次の三つで絞れます。

利用期間・荷物サイズ・出し入れ頻度

利用期間から考えます。三か月から半年の短期なら、取り出し送料と早期取り出しの追加料金が総額を左右します。月額の安さより、出すときの費用が安いプランを選ぶ。一年以上の長期なら逆で、月額単価の低いプランが効きます。実家の売却時期が決まっているなら、その日から逆算して期間を出してください。

荷物サイズで次に絞ります。段ボールに収まる物が中心なら宅配型で足ります。タンス、仏壇、大型家電が含まれるなら、宅配型の通常プランでは扱えません。サマリーポケットの大型アイテムプランや minikura の大型プランで扱える品目もありますが、対象はサイズで決まります。対象外なら屋内型トランクルームや、大型対応の別サービスを併用することになります。ここを混同すると、契約後に「預けられません」と言われて計画が崩れます。

出し入れ頻度で最後を決めます。年に一度も開けない物なら、箱単位で安く預けるプランで十分です。ときどき中身を確認したい、季節ごとに出したい物があるなら、1点単位で取り出せるプランと写真撮影のあるプランを選びます。単価は上がりますが、開けるたびに箱全部を送り返してもらう手間と送料を考えれば、こちらのほうが安く済むことが多い。

三つの軸を紙に書いて、実家の押し入れの中身を当てはめる。それだけで候補は一つか二つに絞れます。

よくある質問

実家の荷物をそのまま送っても大丈夫か

多くの宅配型収納では、専用の箱に詰め替える必要があります。実家にあった段ボールや衣装ケースのまま送ることはできません。専用箱を実家に送ってもらって、その場で詰めるのが基本の流れです。集荷先の住所を自宅と別に指定できるかは、サービスによって扱いが違います。申し込みの前に、実家の住所で集荷できるかを確認してください。

詰める前に、中身の写真を自分でも撮っておくとあとで役に立ちます。何をどの箱に入れたかの記録は、家族に説明するときにも使えます。

親名義の物を子が預けてよいか

親が健在で判断能力がある場合は、必ず本人の了解を取ってください。黙って動かすと、あとで「勝手に処分された」という話になります。実家じまいでもめる原因の多くが、この確認の欠落です。

親が亡くなっていて相続手続きの前段階なら、遺品は相続人全員の共有財産という扱いになります。特定の相続人が単独で処分や移動をすると、遺産分割の話し合いで争いになりかねません。移動させるだけであっても、事前に相続人へ連絡して記録を残しておくのが安全です。誰の同意がどこまで必要かという判断は個別の事情で変わりますから、司法書士や弁護士に確認してください。この記事では踏み込みません。

契約名義については、サービスの利用契約は申し込んだ本人の名義になります。荷物の所有者と契約者が違う状態は、規約上の扱いや補償の対象がややこしくなります。契約前に、家族の物を預ける場合の扱いを各社に問い合わせるのが確実です。

まとめ:置き場所を決めるまでの猶予として使う

実家の片付けは、捨てる作業ではありません。物の置き場所を決め直す作業です。

決められない物が出たとき、選択肢は捨てるか残すかの二つではありません。預けるという三つ目があります。宅配型トランクルームは、その三つ目を月額数百円から作れる手段です。

選ぶときに見る順番は、月額料金ではなく取り出し送料と最低保管期間、そして補償の上限額。預ける期間の見立てが決まれば、選ぶプランは自動的に決まります。あとは箱の数を二割多めに用意して、親がすぐ探す物だけ手元に残す。

捨てなくていい、まだ決めなくていい。その猶予に月額数百円を払う価値があるかどうかが、この記事の分かれ目です。

なお税金や相続の手続きに関わる判断、業者との契約トラブルへの対応は、税理士・司法書士・弁護士や自治体の相談窓口に確認してください。この記事は当事者としての整理であり、専門的な助言ではありません。

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