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遠方の実家の片付けを帰省3回で進めた、ある兄弟の話

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遠方の実家の片付けを帰省3回で進めた、ある兄弟の話

新幹線と在来線を乗り継いで片道4時間。滞在できるのは、盆と正月の連休でせいぜい3日。遠方の実家の片付けは、帰省の日数でできることの上限が決まってしまいます。この記事では、母親が高齢者向け住宅へ移ったあと空き家になった実家を、兄の健一さんと弟の直樹さんが帰省3回で片付けていった経過を追います。途中で足が止まったこと、兄弟がぶつかったことも省かずに書きました。

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

※この物語は、よくある事例をもとに再構成したフィクションです。登場人物・団体は実在のものではありません。

先に結論を書いておきます。健一さん兄弟の片付けが動き出したのは、帰省1回ごとに「今回決めること」を1つに絞り、自分たちで判断する物と業者に任せる物の境目を先に決めてからでした。

帰省のたびに少しずつ片付けても終わりが見えなかった話

最初の1年、兄弟は帰省のたびに「来たついでに少しやろう」と押し入れを開けていました。ゴミ袋を10袋ほど出し、玄関先に並べて満足して帰る。ところが次に帰ると、部屋の様子はほとんど変わっていません。

理由はあとから見えてきました。出していたのは、古い新聞や空き箱のような迷わず捨てられる物だけ。判断に迷う物は段ボールに詰めて部屋の隅に積むので、帰るたびに「保留」の箱が増えていたのです。量は減っているのに、決めなければいけない物はそのまま残っている。終わりが見えなかったのは、このためでした。

さらに、地域のごみ収集日は帰省日と重ならないことが多く、出した袋を持ち帰るか近所の親戚に頼むしかない。遠方ならではの不便も重なっていました。

兄弟で温度差があった実家片付け

処分派の兄と保留派の弟

実家から車で1時間ほどの地方都市に住む健一さんは、空き家の管理が長引くことを気にしていました。草刈りや郵便物の確認に呼ばれるのは、近くにいる自分です。「使わない物は早く手放したい」というのが本音でした。

一方、首都圏で暮らす直樹さんは、帰省の頻度が兄より少ないぶん、実家に帰ると子どもの頃の記憶が一気によみがえります。父親の釣り道具、母親の裁縫箱、兄弟で使った学習机。「今決めなくてもいいのでは」という気持ちが強く、手が止まりがちでした。

どちらの言い分にも筋が通っています。だからこそ、話し合いは平行線をたどりました。

兄弟での分担で最初にぶつかった点

最初の衝突は「誰が何を決めるか」でした。健一さんは近くに住む自分が主導するつもりでいましたが、直樹さんには、自分のいないあいだに大事な物が処分されてしまうという不安があったのです。

「兄貴が決めるなら、捨てる前に一度は見せてほしい」。直樹さんのこの一言で、2人は分担の話より先に、確認の手順を決める必要があると気づきます。親族で話し合うときの進め方は、実家じまいの親族会議でもめないために、ある家族がやったことでも別の家族のケースとして紹介しています。

帰省1回目|何も決められずに帰った日

話し合いが進まなかった理由

最初に兄弟がそろったのは正月でした。2泊3日のうち、初日は親戚へのあいさつで終わり、2日目に居間で話し合いを始めます。けれど、夕方になっても決まったことは1つもありませんでした。

振り返ると、進まなかった原因は3つありました。1つ目は、議題を決めずに「実家をどうするか」という大きな話から入ったこと。2つ目は、2人とも家全体の物の量を把握していなかったこと。3つ目は、母親の意向を確かめないまま話していたことです。母親が「アルバムと着物は残してほしい」と考えていると分かったのは、帰りの電車の中で直樹さんが電話をかけたときでした。

親が片付けに乗り気でない場合の向き合い方は、実家の片付けを親に反対されたときの向き合い方にまとめています。

1回目の帰省で持ち帰れたのは、各部屋をスマートフォンで撮った写真だけ。それでも、この写真があとで役に立ちます。

帰省2回目|役割を分けたら動き出した

分担を見直した具体策

盆の帰省の前に、兄弟は写真を見ながら次の3点を決めておきました。

  • 今回の帰省で決めるのは、台所と納戸の2部屋だけにする
  • 家電・家具・日用品の処分判断は健一さんに任せる
  • 写真・手紙・趣味の道具など思い出の品は、2人とも確認してから決める

大事な物は2人で、それ以外は1人で決める。この線引きで、直樹さんは「勝手に捨てられる」という不安から解放され、健一さんは細かい判断のたびに弟へ連絡する手間から解放されました。台所と納戸は2日で空になり、分別したごみは健一さんが後日、地域の収集日に合わせて出しに来ています。

ビデオ通話で思い出の品を選び合った場面

2回目の帰省で一番時間がかかったのは、2階の押し入れから出てきた父親の釣り道具でした。直樹さんは仕事の都合で1日早く帰らなければならず、判断は持ち越しになりかけます。

その夜、健一さんは実家からビデオ通話をつなぎ、竿やリールを1本ずつ画面に映しました。「それ、中学のとき堤防で一緒に使ったやつだ」「こっちは親父が一度も使ってないな」。話しているうちに、2人とも父親と釣りに行った日のことを次々に思い出し、通話は1時間を超えました。

最後に直樹さんが選んだのは竿1本とリール1個。健一さんはタックルボックスを1つ残すことにしました。残りは手放すと、その場で2人の意見がそろいます。片付けを始めてから、兄弟が一番よく笑った夜でした。

帰省3回目|業者に一部を任せる決断

実家が遠いと片付けを業者に任せるしかなかった理由

翌年の正月、残っていたのは大型家具と、2階の和室にある大量の衣類・布団でした。兄弟2人では運び出せない量で、自治体の粗大ごみ回収に出すにも、予約日と帰省日が合いません。健一さんの車に積んで処分場へ運ぶ案も出ましたが、往復の回数を数えて諦めました。

ここで兄弟は、残りの一部を不用品回収業者に任せることにします。見積もりは、兄弟が住む地域の架空の2社、A社とB社から取りました。見積もりを複数取ると何が違って見えるかは、実家じまいの見積もりを3社取った家族が気づいた違いで詳しく扱っています。

立ち会いなしで任せた部分と任せなかった部分

作業日は帰省の翌週の平日です。健一さんは午前中だけ立ち会い、午後は業者に任せることになりました。任せる範囲を決めるとき、兄弟が引いた線は次のとおりです。

任せたのは、2人ですでに「処分」と決めていた大型家具、衣類、布団、1階の物置の中身。いずれも、事前に写真付きのリストで確認を済ませた物です。

任せなかったのは、仏間と、母親が残してほしいと言ったアルバム・着物の入った箪笥。仏壇の扱いは母親や親戚とまだ相談中だったため、部屋ごと作業の対象から外しました。仏壇の扱いに迷っている場合は仏壇の処分方法5つを比較、費用と魂抜きの手順が参考になります。

判断が残っている物は業者に渡さない。この線を守ったことで、作業後に「あれがない」と慌てる場面はありませんでした。

業者に判断を委ねるときに確認したこと

許可証・見積もり・写真報告

立ち会わない時間がある以上、兄弟は依頼前に3つのことを確認しました。これは特定の業者に限らない、一般的な確認の手順です。

1つ目は許可証です。家庭から出る不用品を回収して処分するには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可、またはその許可業者との連携が必要になります。買い取りをする場合は、都道府県の公安委員会が出す古物商許可も関係します。健一さんは許可番号を業者に尋ね、自治体のサイトに載っている許可業者の一覧と照らし合わせました。

2つ目は見積もりの中身です。総額だけでなく、何が含まれていて、当日どんな場合に追加料金がかかるのかを書面で出してもらいました。

3つ目は写真での作業報告です。作業前と作業後の各部屋を撮って送ってもらうよう、依頼の時点で伝えています。首都圏にいる直樹さんも、その日の夜に写真で仕上がりを確かめられました。

確認のしかたは、不用品回収業者を選ぶ前に確認したい3つのことでより具体的に解説しています。回収を頼んだあとに後悔した別のケースは、不用品回収を頼んで後悔した、ある実家じまいの話をあわせて読んでみてください。

帰省ごとの進捗と積み残しの一覧表

兄弟が3回の帰省で何を目標にし、何を持ち帰り、何が残ったのかを一覧にしました。

帰省目標分担持ち帰った物・成果積み残し
1回目(正月)実家をどうするか話し合う決めずに2人で話し合い各部屋の写真全部屋・母親の意向確認
2回目(盆)台所と納戸を空にする日用品は兄、思い出の品は2人釣り竿・リール、タックルボックス2階和室・大型家具・物置
3回目(翌年正月)大型の物を業者に任せる範囲の線引きは2人、立ち会いは兄作業前後の写真報告仏間・箪笥・保留の段ボール

表にしてみると、1回目の帰省は成果がほとんどなかったように見えます。ただ、この回に撮った写真と、母親の意向を知れたことが、2回目以降の段取りを組む材料になりました。帰省1回で終わらせようとせず、1回ごとに決めることを1つ持ち帰る。兄弟が得た手応えはこの積み重ねでした。1回目の帰省で足踏みした記憶があるからこそ、2回目のビデオ通話や3回目の線引きが効いたのだと、健一さんはあとから振り返っています。

兄弟で片付けを進めるときのすり合わせ方

健一さん兄弟のやり取りを振り返ると、ほかの家族でも使えそうなすり合わせの型が見えてきます。

まず、帰省の前に「今回決めること」を1つか2つに絞っておくこと。当日に議題を探し始めると、限られた日数が話し合いだけで終わります。健一さん兄弟も、1回目は議題を決めずに臨んだせいで丸1日を話し合いだけに費やし、2回目からは事前に的を絞ったことで作業に入る時間を確保できました。

次に、判断を1人に任せる物と、全員で確かめる物を分けておくこと。思い出の品だけは全員で確認する、と決めておくと、離れて暮らす側の不安がやわらぎます。その場に来られない人がいても、ビデオ通話を使えば一緒に選べます。健一さんと直樹さんが釣り道具を1つずつ画面越しに見返した夜は、判断のためのやり取りが、そのまま父親を思い出す時間にもなりました。

そして、業者に任せる範囲は「処分と決まった物」に限ること。迷っている物を渡してしまうと、あとで取り返しがつきません。迷う物は宅配型収納などで一時的に預け、決める時期を先に延ばす方法もあります。

片付けのあと実家をどう管理していくかは、兄弟で次に話し合うことになります。空き家のまま置いた場合の例は実家を空き家のまま放置して後悔した家族の話に、管理を外部に頼む方法は空き家管理サービスの選び方と料金相場の比較にまとめています。売却や相続の手続き、税金の扱いは家庭ごとに条件が違うため、詳細は税理士・司法書士などの専門家に確認してください。

保留物の置き場という新しい悩み

宅配型収納を選んだ理由

大きな物がなくなると、今度は「保留」と書いた段ボール8箱が目立つようになりました。中身は兄弟の学生時代の賞状、母親の手紙、父親の日記など。今すぐ決める気にはなれないものの、空き家に置いたままでは湿気が心配です。

健一さんの家にも直樹さんの賃貸にも、8箱を置く余裕はありません。そこで兄弟が検討したのが、段ボール単位で預けられる宅配型収納です。店舗まで運ぶ必要がなく、集荷を頼めば実家から直接送り出せます。預け先を決めたことで、「保留」は置き場所の決まった「あとで決める物」に変わりました。

料金や保管できる物の条件は、サービスごとに違い、改定されることもあります。申し込む前に各社の公式サイトで最新の表示を確かめてください。

選ぶときの比較の軸は宅配型トランクルームを比較してわかった選び方の分かれ目に、賃貸暮らしで実家の荷物を引き取る場合の考え方は賃貸暮らしで実家の荷物を引き取るときの現実的な置き場所にまとめています。写真やアルバムが多い場合は、データ化してかさを減らす方法もあります(実家の写真・アルバムをデータ化するサービス比較)。

よくある質問

Q. 帰省が年2回しかできません。何回くらいで片付けは終わりますか?

家の広さと物の量、兄弟の人数によって大きく変わるため、回数の目安は示せません。健一さん兄弟の場合、3回目の帰省のあとも仏間と保留の箱が残りました。回数で考えるより、1回ごとに片付ける部屋を決め、終わった部屋を数えていくほうが進み具合をつかみやすくなります。

Q. 兄弟の片方が片付けに消極的です。どう切り出せばいいですか?

処分するかどうかの話から入ると、身構えてしまう人が多くいます。先に「大事な物は必ず全員で確認する」という約束を示し、判断を急がせないことを伝えると話が進みやすくなります。

Q. 立ち会いなしで業者に任せても大丈夫ですか?

任せる範囲を処分が決まっている物に限り、作業前後の写真報告を依頼しておけば、離れていても仕上がりを確かめられます。依頼の前には、許可の有無と見積もりの内訳を必ず確認してください。

Q. 決めきれない物はどうすればいいですか?

段ボールに「保留」と書いて置き場所を決め、見直す時期も決めておく方法があります。自宅に置けない場合は、宅配型収納のように箱単位で預けられるサービスも選択肢になります。

まとめと次に読みたい記事

健一さん兄弟の遠方の実家の片付けは、1回目の帰省では何も決まりませんでした。動き出したのは、帰省ごとに決めることを絞り、兄弟で分担の線を引き、業者に任せる範囲を「処分が決まった物」に限ってからです。決めきれない物には置き場所を用意し、判断する時期を先に延ばしました。

これから手をつける方は、次の帰省で何を1つ決めるかを家族で話すところから始めてみてください。

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この記事を書いた人

実家の片付け・不用品の処分・空き家の管理など、親の家をめぐる手続きと段取りをまとめています。料金やサービス内容は各社が公表している一次情報を確認してから書き、確認できた時点を記事内に残しています。税金・相続・登記など専門的な判断が要る部分は結論を断定せず、どの専門家に相談すればよいかまでを示す方針です。記事内の体験談は、よくある事例を再構成したフィクションであることを本文に明記しています。

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