不動産売却のための査定を頼む前にやっておきたいこと
不動産売却を行うためには、まず何といっても、不動産業者に物件の査定をしてもらわなくてはなりません。しかし、それよりも前に行っておくとよいこと、というのもあります。今回は、不動産業者に物件の査定を頼む前に、ご自身でやっておくと良いことについて、そのおすすめをご紹介致します。
査定の前にやっておくと良いこととは、「売却したい物件の相場価格を調べること」です。
相場価格といっても、それほど難しいことを調べる必要はありません。売却した物件がある地域で、同じような物件が売られていないかどうか、またそれが、どれくらいの価格で売られているのか、ということを調べれば良いのです。
同じような物件というのは、部屋タイプや部屋数、面積、築年数のこと。自分の部屋、あるいは家の平米数を把握していない場合は、持っている書類などを確認してみましょう。
これらが把握できたら、まずは近隣で似たような物件が販売されていないかどうかを検索してみます。現在はスマホやインターネットがあれば、検索は簡単に行うことができます。マンションの場合は階数や、エレベーターの有無も相場に影響を与えますので、必ずしも、近隣にすべての条件が似通った物件は売られていないかもしれませんが、部屋のつくりなど一部が似通っている物件はあるかもしれません。
今、売られている物件があれば、その価格は競合の物件として、当然査定の参考にされます。また、今、売られている似通った物件が無ければ、過去にその地域で販売された、類似した物件、あるいは同じマンション内の他の部屋の金額というのも、参考価格として知っておくと良いでしょう。
不動産業者にもネットワークがあり、近隣物件の価格帯をよく知っています。これを参考にして、極力高値での取引をするのが、不動産業者の基本的な姿勢です。売主に入る金額の中から、仲介料という形で収入を得るのが、不動産業者の基本となりますので、極力高値での取引になったほうが、業者にも利益があるというわけですね。
しかし、そうではない業者もあります。つまり、わざわざ物件に安い値をつけたり、「この地域で、この築年数では売れないことが多い」と言い出す業者がいるのです。そして、「このまま私たちが買い取りますよ」と言ってくれるかもしれません。こうした業者は、売主から安価で買い上げた物件を、これまた安価でリノベーションした上で、高値で売り出すのです。ですから、その地域の販売状況や相場を知らないまま、不動産査定に臨んでしまうと、破格の安値で、物件を不動産業者に買いたたかれてしまうこともあるでしょう。
これから不動産を売却しようという上で、その物件の価値をある程度把握しておくことは、決して損にはなりません。不当に安く買いたたかれるのを防ぐ効果もあるでしょう。不動産業者に連絡を取る前に、是非行っておいていただきたいことと言えますね。