不動産売却で勧められる「リノベーション」って何?お得なの?

不動産を売ろう! と決心し、いくつかの不動産業者に査定を依頼してみると、必ずといって良いほどその中で、「リノベーションをしてはどうか」という話を持ちかけられることがあります。
今回は、その「リノベーション」とは何なのか、そして、リノベーションとやらは、不動産業者が言うように、本当にお得なものなのか? ということについて、考えてみたいと思います。

リノベーションというのは、いわば「大規模リフォーム」と同じような意味です。リフォームというと、私たちにとっては既におなじみの用語のひとつですね。現在ではリノベーションとうい言葉が登場したことで、「リフォーム=壁紙の張り替えや、ひと部屋のみキレイにするなどの小規模な改装」という定義が定着し始めています。
一方のリノベーションですが、室内のすべてをリフォームしたり、間取り変更などを行うので、規模が大きくなります。壁を取り払ってLDKをひとつにしたり、水まわりの総リフォーム、場所の変更といったことも行われるのが、リノベーションです。

室内のほとんど全部が新品になってしまうので、不動産を売り出しにかける場合は、リノベーションが行われている物件のほうが当然、価値が高く、買い手もつきやすくなります。建物そのものの築年数が経過していても、リノベーションが行われているのであれば、内装や間取りは新築同様。ある程度金額を高く設定しても、買い手がつきやすいというのは大きな利点のひとつです。

但し、考慮しておかなくてはならない部分もあります。
それは、リノベーションにはかなり多くの資金が必要になるということです。リノベーション自体にお金がかかるため、その後の売却価格がアップしたとしても、リノベーションの費用を差し引いて+になるという保証はありません。

さらに、このリノベーションに絡んで、仲介業者からこのような提案を受けることもあると思います。
「弊社のほうでリノベーションを行いますので、こちらの物件をとりあえず弊社に売却してください」という提案です。
その場合は、仲介業者がリノベーションを行うことが前提ということになりますので、売却価格は非常に安価に提示されます。仲介業者は、リノベーション物件を数多く持っているため、必要な資材も大量発注で安く仕入れています。ですので、一般の人がリノベーションを行うよりも、ずっと安価な費用でリノベーションを行うことができます。
そして、物件自体はリノベーション済みの物件として、高値で売り出されることとなりますので、仲介業者の利益は非常に大きなものとなるのです。リノベーションを安価に行うノウハウを持っている仲介業者にとっては、利益率が高く、不動産を売却する売主としては、利益の少ない売り方と言えるでしょう。

但しこの方法であれば、仲介業者がすぐにでも買取り、お金を入金してくれますので、多少利益は低くても良いので、事情があって売却を急いでいるという場合には、非常に適した方法でもあります。

これらの事情を加味して、リノベーションを行うのか、行わないのか、あるいはリノベーションを前提に業者に安く物件を明け渡すのか、いずれかを選択する必要があることを覚えておきましょう。


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